【完】君しかいらない
かわいいな……。




もう俺の彼女なんだけどさ、それでももっと俺だけのモノにしたいって思う。




「じゃあ、人がいない場所で、日にち決めたらもっといっぱいキスしていい?」




半分本気、半分冗談。




そんな質問にも、愛梨ちゃんは真面目に答えてくる。




「や~、もぉ奏太くん、キスのことばっかり言って!キスの約束する人なんて聞いたことないから。もぉ、知らない!」




「したいんだから、しょうがないじゃん」




無理強いするつもりはないけど、愛梨ちゃんとのこういうやり取りが楽しい。




逃げようとする愛梨ちゃんを、後ろからギュッと抱きしめる。















いっそこの腕に閉じ込めて……




ずっとこのままでいられたらって思う……。




そんなこと不可能なんだけどさ。




愛梨ちゃんと出会って……




いつも不安が付きまとってた俺に、初めて幸せが舞い降りてきた気がする。




だけどこの幸せが、いつまで続くかって、




不安で仕方ないんだ……。




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