【完】君しかいらない
「ハイ、これあげる~」




手渡されたのは、ミントのガム。




「食後に食べたら、スッキリするよ~」




「ありがと」




食べてないとも言えず、とりあえず受け取った。




友達はそのまま他のところに行ってしまったけど、




なんだか心がホッコリする。












ガムを食べようと思って包み紙を開けたら、うっかり落としてしまった。




拾おうとして足元を見ると、小さな花が咲いている。




雑草に紛れて小さな花が一角に咲いていて、必死にその存在をアピールしているかのようにも見える。




ここ最近は自分のことばっかりで、こんな些細なことにも気づかなかったし、なにも感じなかった。




日常のちょっといいことを、探すってこういうこと?




……踏まなくて、よかった。




こんな小さな花だって、頑張って咲いてるんだもん。




あたしも…頑張らなきゃね。






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