【完】君しかいらない
ちょっとのことで、嬉しくなる。




ほんの些細なことにも、感動する。




本来のあたしは…そういうタイプだったはずだよね。




ここ最近ずっと後ろ向きだったことを思いしらされた。




安元くんの言うとおりだね。




今みたいなあたしじゃ、今度会ったとき…奏太くんだってガッカリするはず。












俺が好きな愛梨ちゃんは、




いつも笑顔の愛梨ちゃんだよ……笑ってって言う、




奏太くんの声が聞こえてくるような気がする。




冷たい言葉を投げかけられたし、今は側にいてくれないけど…




夏休みの間にあたしにくれた、




奏太くんの優しい言葉や笑顔は、




今でもあたしの頭の中に、しっかりと刻みこまれている。




いないって思うと辛いけど…




いい思い出ばかりだった、その記憶をたどると、




こんなに温かい気持ちになれる。




奏太くんは、あたしにたくさんの勇気をくれた。




力づけてもらった言葉を思い出して、




あたしはまっすぐ前を向いて、歩いていかないといけないよね……。













いつかまた、会えるとき、




奏太くん史上最高の、




あたしでいられるように。











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