【完】君しかいらない
あれから
あの誓いのキスから、2年が経った。



あたしは今、大学2回生。



大学の授業にも慣れ、



毎日を楽しく過ごしている。









午前の授業を終え、



学校の門を出たところで…。



「愛梨、待ってた!」



嬉しそうに目を輝かせている、子犬を一匹発見。



…って、違うか。



あたしを呼ぶのは、



バイクにまたがり、嬉しそうに笑う奏太くん。



奏太くんは、たまにこうやって大学の前であたしを待ち伏せている。



「もー、勝手に来ちゃダメって言ったよね!?」



「なんでだよ、会いたかったんだって!」



そう言って、あたしの肩を強引に抱く。



「奏太くん、目立つんだもん……あぁっ、もう、他の子が見てる~!」



相変わらずのイケメンっぷりに、女の子の視線を感じては冷や冷や。



あたしの奏太くんなのにっ!



「俺が好きなのは、愛梨だけ」



そう言って、人前だろうがお構いなしに



あたしにキスを迫るところは、以前とあまり変わらない。



この2年で変わったことは…



愛梨ちゃんから、愛梨って呼ばれるようになったこと。



そして、



あたしの左手の薬指には、



奏太くんからの、



エンゲージリングがはめられている。



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