【完】君しかいらない
えへへ…。


早いけど、


もう…


プロポーズされたの。



付き合って初めて迎えた誕生日プレゼントが、



指輪だった。



奏太くんは、



「愛梨ちゃんの人生、俺がもらう!」



って言って、笑ってた。








そのときはまだヤンキーで…



学生でも社会人でもないただの遊んでる人だった。



だけど、



不思議と将来への不安とかそういうのもなく。



奏太くんとなら、



ずっと楽しくやっていけそうだなって思って、



あたしもすぐに頷いたんだ。



奏太くんはあのあと、あっという間に黒龍会の総長になってしまって、



向かうところ、敵なし。



自分が引退するまでに、



独自のネットワークを駆使して、



抗争していた他のグループとも和解して、



悪評名高かった黒龍会のイメージを、払拭した。

  

今は、



友達のナナオくんと同じ会社で働いている。



毎日真面目に勤務してるみたいだけど、



こうやってたまに突然現れるの。








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