【完】君しかいらない
この状態を見て安元くんは助けてくれるかと思ったら、呆れた顔を見せて、そのまま歩いて行ってしまった。


…えっ?放置!?


「やっ、安元くん!!奏太くんも連れてってよ!」


あたしが叫んでも、無視。


いやいや、あの人があたしを無視するのなんて、今に始まったわけじゃないんだけど。


だけど、ケータイ返しついでに、助けてくれたっていいのに!






安元くんの後ろ姿に向かって叫んでると、奏太くんはハッとする。


「…あ、陽斗行っちゃったし。んじゃ、俺も帰ろっかな。バイバイ、愛梨ちゃん」


奏太くんはそう言ったかと思うと、アッサリとあたしから離れて、安元くんの背中を追っかけて行った。





……なんなの?


あの二人……。






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