【完】君しかいらない
「ごめん、あたし余計なこと聞いちゃった!春奈とのことは…」


あぁっ、あたし、何言ってるの!?


バカ、バカ、春奈の名前出すなんて、ホントおバカ…。


安元くんの機嫌がますます悪くなるかと思ったけど、そうでもなかった。


諦めたように、軽くため息をついただけ。


…ホッ。


「…俺らのこと、聞いたんだ?」


「たっ、たまたま…」


「別にいーけどな、事実だし。で、どこまで聞いた?」


「どこって…。みんなが噂してただけ。ある日突然話さなくなったって…」


あたしがそう言うと、安元くんは軽く頷いた。


「ふ~ん…そっか。春奈が喋ったわけじゃなくて、周りのヤツから聞いたんだ?」




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