【完】君しかいらない
「うん…まぁね。でもみんな詳しく知らないみたいだったから…。あたしもそのぐらいしか聞いてなくて」


「そっか」


「…春奈、いい子だよね」


「…………」


あたしの言葉に、安元くんは黙ってる。







…マズい、これ以上余計なこと言うのはやめよう。


「何でエレベーター降りてこないんだろーね?あっ、ボタン押してなかったぁ~!」


ホントに押してなかったんだけど、その場を取り繕うように、わざとちょっとおどけてみせる。


話題変えなきゃ、なんだか気まずい。


そう…思ってたら。


「あいつに…返さなきゃなんないモノがあって。それ、小中に渡しても…いーかな」


え、あたし…に?


安元くんは真面目な顏をしてあたしを見ていて、


その表情を見た瞬間、あたしも真剣にならずにはいられなかった…。




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