【完】君しかいらない
「春奈と仲よかったら…気まずくならねぇ?愛梨ちゃんから渡されたら、陽斗とのこと聞いたのかって思うだろーし」


「春奈はそこまで勘ぐらねーよ」


「そーかな…」


「お前より俺の方が、アイツのこと知ってるから」


そういう風に言われると、もう何も言えなくなってしまう。


そうだけどな?


だけど何か引っかかる。


「もういい加減、忘れたいんだよ。まさか今年も同じクラスになるとか思わねーし。あのクマ見るのもウンザリ…」


「そっか。まぁ、とにかくもう全部清算できたし、あの女とはスッパリ縁を切ろうな」


「そのつもり…」


陽斗は、本当にそう思ってるから春奈に私物を返そうって思ったんだよな。


そうだよな…陽斗?


少しだけ嫌な予感がするけど、


今の陽斗の言葉を信じよう…。



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