【完】君しかいらない
「お前、悩みすぎー。もっと他に悩むとこあんだろ?」


ひどっ!


振り向けば、あたしをどついたのは安元くんだった。


「じゃあ…これにする」


とりあえずメロンパンはやめて、自分の食べたいパンを買うことに。


「じゃー、俺これにする。これとこれ、一緒に払います」


え?


安元くんはメロンパンを取って、パンを売ってるおばさんにお金を渡した。


「ちょっ…ちょっと!困るから。自分で払うし」


「いーんだよ。変なこと頼んだし…。こーでもしねぇと俺の気がすまないから」


そう言い残すと、あたしが返そうとするお金も受け取らず、安元くんはスタスタと歩き始めた。


「安元くん、待って!ねぇっ…」


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