【完】君しかいらない
あたしはお父さんを突き飛ばして、お母さんにしがみつく。


「アハハ、冗談だろ」


「もー!そういう話、やめてよー!」


「これだから愛梨をからかうのはやめられないな」


お父さんったら、怖がりのあたしをよくからかうんだ。


悪趣味だよ。


毎度騙されるあたしもあたしだけど……。







マンションの1階にたどり着くと、エレベーターはちょうど4階から降りてくるところだった。


あたしはお父さんの背中をポカポカ叩きながら、ブーブー文句を言い続けていた。


チン!


相変わらずの安っぽい音と共に、エレベーターの扉が開く。


するとその中から、金髪の男の子が降りてきた。


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