【完】君しかいらない
春奈と安元くんはどうかな。


安元くん、まったく動じなさそう…。


ある意味頼もしいよね。


この肝試しで、春奈が安元くんとくっついたらいいのに…。


ぼんやりとそんなことを考えていたら、またガサガサと音が聞こえてきた。


「ねぇ…黒田くん、何の音だろ…」


「さぁ?俺が知るわけないだろ!?さっさと行こうぜ…」


黒田くん、また逆切れしてる。


あたしと一緒でよっぽど怖いんだね。


トントン。


左肩を叩かれた。


「黒田くん、今叩いた?」


「え?何もしてないって。ていうか、脅かすなよ…何でそんなこと言う…」


言われてみれば、黒田くんはあたしの右にいる。





…じゃあ、左にいるのは?


ハッとして左を向くと、大きな人影が見えた。





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