【完】君しかいらない
白と黒
~愛梨side~


――ゴーッ。


夜行バスなんて、初めて乗った。


とうとうあたしも、これであっくんに会いに行けるんだ…。


ずっとドキドキがおさまらない。


車内は明かりが落とされていて、さっきからしきりに外人さんのイビキが響いている。


だからうるさいのはうるさいんだけど、そのせいで眠れないというよりかは…


あっくんに会える楽しみと、不安な気持ちが入り交じっていて、あたしはなんだか落ち着くことができないでいた。





安元くんは…


あたしの隣の席で腕組みしたまま、難しい顔をして俯いている。


多分…もう、寝てるんだと思う。





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