【完】君しかいらない
「…どした。寝れねーの?」


「ひゃっ…安元くん、起こしちゃった?」


隣を見ると、安元くんが眠たそうな目をしてあたしの方を見ていた。


「ん…俺もウトウトしたり、起きたりの繰り返しだけど。小中は、ずっと起きてるみてーだから」


「うん…何か眠れなくって。ねぇ、見て見て!月が綺麗だよー」


「月って…いつでも見れんじゃん」


安元くんは鼻で笑うと、背もたれから軽く背中を離す。







「…あー。ホントだな。普段夜に空見あげることとかねーけど、こうやって見るとなかなか…」


「でしょっ!?」


パッと振り向くと、窓際に少し体を寄せてた安元くんと、顔が急接近!


「わっ!!急に振り向くなって…」


安元くんはバッと後ろに飛び退くと、浮かせていた背中を、背もたれにつけた。




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