【完】君しかいらない
「安元くん、初めまして!!!いや~、会いたかったんだよねぇ~!!!」


は!?


小中の兄貴は俺に近づくなり、手を取って握手してくる。


「愛梨から安元くんの話は聞いたことあって。同じクラスで学級委員で、隣の家でとか。かなりのイケメンって聞いてたし!いや~、ホントにカッコいいから驚いた」


「いや、俺なんか全然…」


「あっ、俺のことは俊でいいよ?ありがとねー。愛梨をここまで連れてきてくれたなんてさ。ホントコイツってば、方向音痴で。一人でコッチ来るとかもう心配で心配で。

だけど安元くんが一緒に来てくれたから、今まで安心できてたんだよなぁ~」


「…………」


「愛梨、腹減らない?俺、今から飯食おうと思うんだけど」


「お腹空いた~っ!お兄ちゃん気がきくねぇ。そういえば、あたし昨日の夜ほとんど食べてなかったんだった」


「やっぱり?愛梨、肝試し、チョー怖がってたしな。俺も肝試しなんか無理!よく頑張ったよなぁ」







…なんか、すげーな。


この兄妹。





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