【完】君しかいらない
「…いや、いーや。んなこと今さら言っても始まらないし…。さ、寝るかぁ!」


奏太くんは立ち上がって、机を端に寄せたりして、部屋の中を片付け始める。


奏太くん、ちょっと本気っぽかった。


…まさか、ね。


失恋したあたしをなぐさめるために、そう言ってくれてるんだろうね。


誰かに想ってもらえてるって思うだけで、寂しい気持ちが和らぐし…。







「愛梨ちゃんは、ココね。俺、コッチ」


奏太くんは部屋の端と端を指差す。


間にお兄ちゃんが寝るってことだよね…?


うん。


それなら、いーかな。


友達といえど、すぐ隣で寝るって、ナシな気がするし…。





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