甘恋集め

高橋のおじさんとおばさんに、駆を紹介したいって思う気持ちは確かにある。

この素敵な男性が私の大切な人だと言いたい。

こんなに優しい人と、将来を共にしたいと叫びたい。

私にとっての将来は、駆と共にあるものだから。そりゃ、早く紹介したい。

けれど、そんな私の先走った気持ちが駆にプレッシャーを与えちゃいけないって自制してるのに。

駆が持っている自分の体の弱点を駆自身が整理して、ちゃんと気持ちをまとめられたら、紹介しようって思ってた。

あまり急ぎ過ぎて駆を追い詰めないようにしようと思ってたのに。

「今日、一緒に来てもらってもいいのかな。巻き込んでもいいのかな。
駆、もう少し時間が欲しくなかったのかな」

小さくつぶやく私の声は、自分でもどうしようもないくらいに震えてる。

駆を目の前にすると、覚悟を決めたはずの心がもろくなっていく。

そんな私の声に、ふっと息を漏らしたとしくんは。

「今日、駆がこの場に来なかったら、俺は美乃をあいつに渡さない。
美乃一人に全てを任せるような男なら、二度と美乃に会わせない。
そう決めてたんだ」

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