甘恋集め
そして、濠と私の新しい日常が始まった。
世界有数の高級ホテルで働く濠と、建築士を目指している私の生活は、不規則な中でもとりあえず順調だった。
再会すれば、それで二人はハッピーエンドだと思っていたけれど、人生が続く限り、エンドマークを打てることはないんだと感じながらの毎日。
悩みが尽きる日はなかったし、濠との関係を振り返る時は何回もあった。
それでも。
「透子がいないと、俺はどうやって生きていけばいいのかわからない」
とへたれな言葉を吐く濠の側で、同じ言葉を私も返す。
結婚して二匹の怪獣にも恵まれて、濠の腕に包まれて眠るかけがえのない日々。
こんな甘い毎日を送れるようになった今に感謝。