コイン★悪い男の純情
 「吉見さん、淳也さんの勇太位の時って、どんな子供だったの」
 「淳也 かい。寝 小便 ばか り し とっ た わ」

 「寝小便? まあ、吉見さんたら」
 「何 て 言い 訳 した か 当て て み」

 「もうしませんかな」
 「い い や」

 「何て、言ったの。吉見さん」
 「それ は な」

 「吉見さんのいけず」
 「言う て あげ よ か」

 「吉見さん、お願い。早く言わないと、もう来ないわよ」

 「よっ しゃ。 淳 也 は な」
 「何て、言ったの」




 「ちんちん汗かいた~ ちんちん汗かいた~ 言うてな」




 
 「ちんちん汗かいたと言ったの。まあ、淳也さんたらっ」


 かんなはそれを聞いて笑い転げた。


(あの素敵な淳也さんが、そんな事を言うなんて、想像出来ないわ)


 淳也の顔を思い描くと、かんなは可笑しくて可笑しくて笑いが止まらなかった。


 「とう がら し み た い な ちん ちん や で。そ れ が、 汗 かい て、ふ と ん に 地図 描け る 訳 無い や ろ に」


 そう言って、たえまで大笑いしている。

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