コイン★悪い男の純情
 淳也はラーメンを3杯作った。

 「淳 也 の ラー メン は おい しい ね ん。智 子 も食 べ て み~」
 「いただくわ」

 二人は仲良くラーメンをすすっている。

 たえは子供のように、ラーメンを嬉しそうな顔をして猛烈に食べている。

 「うま い な あ」

 おいそうに食べるたえの顔を見ていると、淳也は幸せな気分になった。

 二人を見ながら、淳也もラーメンをすすった。



 「あっ、いてててて~」



 先ほど、殴られた唇の辺りが、ラーメンを食べるとヒリヒリする。

 淳也はみぞおちに目をやった。


 蹴られた傷より、寝たきりのたえを持つ心の傷の方が、淳也には何倍も何倍も痛みが大きかった。

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