コイン★悪い男の純情
14話 恐竜
 約束の日は晴れだった。


 「わあ~い。わあ~い」
 「良かったわね、勇太」

 「寝小便のおっちゃん、約束守ってく~れた」
 「これ!勇太。寝小便のおっちゃんは、絶対に言ったら駄目と言ったでしょう」

 「わかった。言わへん」
 「じゃ、ママに指切りをして」

 「うん。するっ」


 二人は指切りをした。

 「本当にもう言わないでね」
 「言わへん」

 かんなは朝、6時に起きた。
 かんなが朝食を作っていると、勇太が目を擦りながら、起きてきたのだ。

 余程、UMJに行くのを楽しみにしていたのだろう。

 数日前に夜、淳也から電話が掛かって来たのを、かんなは思い出していた。

 「次の休日はいつですか」
 「日曜日です」

 「じゃ、日曜日に大阪で待ち合わせしましょう。勇太君とUMJに行くのを約束しましたので」

 「いいのですか」
 「男の約束ですから」

 かんなは電話の一部分を思い出すと可笑しくなった。


(男の約束ですって。5歳の男の子をつかまえて)


 かんなはぷ~と思い出し笑いをした。


 淳也とは、9時30分にJR大阪駅の中央改札口の前で、かんなは待ち合わせを約束していた。




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