コイン★悪い男の純情
 前崎は携帯電話を取り出すと、純一の顔がわかるような角度で素早く撮影をした。


 「カシャ」
 「カシャ」

 「カシャ」

 さらに、角度を変えて前崎が撮影をする。


 「カシャ」
 「カシャ」


 純一は長い口付けが終わると、リサの耳元に向かって囁いた。


 「苦しいほど、愛している」


 「私もよ」

 リサも純一の目を見詰めながら呟いた。


 「2人きりになろう」

 「ええ」

 純一はフロントで部屋を手配した。



 前崎はフロントに並ぶ二人を、携帯でわからないように撮影している。


 「カシャ」


 「はやく振り向け」
 「よし!」


 「カシャ」


 2人はエレベータに乗り込んだ。






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