コイン★悪い男の純情
 前崎はどうしようかと迷ったが、エレベーターがどの階で止まるかを見定める事にした。

 エレベータは5階、7階、8階で止まった。

 前崎は次のエレベーターで5階、7階、8階で降り、辺りの部屋を見渡したが、2人がどの部屋に入ったかわからなかった。


 ふたりは803号室にいた。
 純一はリサをとろけさせていた。

 リサは同伴以来、純一を特別な目で見ていた。



 今まで同伴と言えば、おじん、でぶ、禿げばかり。


 (うぜえ~んだよ)


 いつもリサは心の中でそう思っていた。

 いくら、一流のレストランで最高級のおいしい物を食べても、お金の為でも、相手がこれではと、うんざりとしていた。


 そこへ、気になっていた純一と夢のような同伴。


 ボーリングが、マクドガルドのハンバーグが、取立ての野菜のように、みずみずしく新鮮だった。

 リサは純一と男と女の関係になった時、『RIP』でのナンバー1の地位やお金はどうでも良く、純一との結婚を夢見るようになっていた。




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