恋する刑事(デカ)~君のハートに狙いをつけて~
「すべての元凶はそこにいる佐藤にあるの!!」



馨さんは包丁の切っ先を佐藤に向けた。


ずっと親戚である大田大臣の権力に庇護され、何をしても咎められずにいた佐藤。


でも、今は目の前の戦慄に瞳を見開かせて、ブルブルと身体を震わせて歯をガチガチと噛み合せていた。



「お、お、お前…こ、こんなコトして・・・」


言いたいコトは理解できるが、恐怖で佐藤の呂律は上手く回らなかった。



佐藤は馨さんの後ろに佇む私を見つめ、助けを求める。







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