恋する刑事(デカ)~君のハートに狙いをつけて~
紫苑は上着を脱いで、ホルスターに収められた拳銃を見せた。



「・・・お前は見習いだ…」


「でも、研修が終われば…俺の方が…心愛よりも階級は上になる…。心愛は俺を庇って殉職した伊藤警部補の代わりに来たと刑事だと龍崎警部補から訊かされた。伊藤警部補が守ったように今度は俺が心愛を守るつもりだ」



「私は別に…自分の身は自分で守る…」


「何を言ってる?心愛…君は少し冷静さが欠けてると昨日…言っただろ?忘れた?」



本当に紫苑は苦手な男だ…



「誰かの為になら、もしかしたら強くなれるかもしれない…現場に出るのがずっと怖くて…俺は逃げ出していた。でも、心愛の危険を顧みない姿を見て思った。俺を一人前の刑事にしてくれるのは心愛だって」


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