恋する刑事(デカ)~君のハートに狙いをつけて~
「・・・」



俺に額に銃口を押し付けながら、男は俺のコートを探った。


警察手帳を奪い、名前を見る。



「紫苑か・・・」


「お前…誰だ?」


「俺か…俺に名前はない。でも、皆…俺を見ると必ず死期を迎えるから…紫岐(シキ)呼ばれている…」



紫岐…



「・・・綺麗な顔だな…。俺に命乞いしてみろっ…そうしたら、命は救ってやってもいいぞ」


紫岐は俺の額に当てていた銃口を離した。
そして、銃を草むらに無造作に投げ込んだ。



俺はその隙に動く左腕でヤツの殴りかかった。







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