恋する刑事(デカ)~君のハートに狙いをつけて~
でも、ヤツは俺よりも背が低く華奢な感じに見えたが、喧嘩慣れしていて、ヤツのパンチは何度も轟と空を振動させて、俺に苛烈な攻撃を与えた。



「くそっ…」



頭がボーッとして朦朧とし始めていた。意識を繋ぐだけの気力の残量は少ない。


身体が激しい痛みで悲鳴を上げている…



「・・・おとなしくすれば、可愛がってやったのに」


紫岐は何かを口に放り込んで、俺の顎を指で持ち上げた。



「!!?」


ヤツの殴られ、口腔内は鉄の錆びた味で満ちていた。


紫岐は俺にキスをして舌を使い、カプセルのようなモノを押し込んだ。



「…命は助けてやる…」



俺は怒涛のように押し寄せた睡魔に巣食われて、眠りこんでしまった。
< 86 / 230 >

この作品をシェア

pagetop