摩天楼Devil
向こうも声をかけたくても、勇気がないだけ、と知って嬉しかったけど、また不安になった。


「最近、あんたが泣いてないか、とか訊いてくるのよ。

初めはケンカしたことで、あんたが泣くのを心配してるのか、と思ってたけど、違うみたい。

あんたが放課後どっかに行ってるかとか、どんな様子か、とも訊かれたわ。

妃奈、どっかに通ったり、寄り道したりしてんの?しかも、真悠子が不安がる所とか」


――篤志さんのこと、まだ心配なんだ……


どうしよ。いっそ、会ってもらおうかな?


そしたら、篤志さんが優しい人で、怪しい人じゃない、って分かってくれるよね。


よし! と気合いを入れ、私は立ち上がった。


「ミヤちゃん、ありがとう。仲直りしてくる」


一番前の席の子と、話しをしてる真悠子のとこに行った。


「ま、真悠子……お、おは、おはよう」


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