摩天楼Devil
彼女は口を尖らせてたが、次には笑った。


「やぁっと来たわねぇ。いつ詫びてくるかと思ったぁ」


「何よぉ。全面的に私が悪いわけぇ?」


「冗談よ」


「あのさ、話したいことがあって」


真悠子の反応を待つ前に、チャイムが鳴った。


「昼休みでいいよね?あ、おばさんの玉子焼きある?」


と、親友。


「あるよ。そっちの唐揚げは?」


「あるある。じゃ、交換ね」


今日からまた、一緒に食べることになった。

同時に不安になる。


篤志さんの話題で、ケンカに発展しないように気をつけなきゃ。


また、怒られたらどうしよ……


ううん、大丈夫。

親友だもん。篤志さんの良さも絶対理解してくれる。


初対面の時とは明らかに違う、私の彼に対するイメージだった。


――なぜ変わったのか

その理由どころか、そんな変化自体、あまり意識してなかった。


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