摩天楼Devil
アパートに着くと、叔父さんが、空き家だった部屋の前にいてくれていた。


何だか、気まずそうな表情。


「叔父さん?なんかあった?」


「いやぁ、な、何もない……じゃ、篤志君を紹介するよ」


「アツシ君?」


「藤堂篤志君。雅彦の息子さんだ」


あ、私を雇ってくれる人ね!


「ささ、早くご挨拶しなきゃ……ねぇ、変なとこない!?」


くるり、とその場で回ってみせた。


「あ、ああ……み、見違えたよ」


彼はまだ気まずそうな雰囲気。


それでも、中に案内してくれた。


入っていきなり、ダンボール。


6帖の洋間に行くと、またダンボールが重ねてある。


まだ片付けが済んでないのね。

あ、叔父さんはこれを気にしたかしら。
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