摩天楼Devil
「嫌なのは、篤志さんでしょ!便利なパシリどころか、ただの役立たずのガキだから……
レイさんに来てもらえばいいじゃん!
どうせ、ドレスもワンピも、渡したこと後悔してるんでしょ!」


怒鳴った後、すぐに後悔した。


「……妃奈?」


戸惑いの色を浮かべる彼に、ごめんなさい、と呟き、部屋を飛び出した。


階段を駆けおりて、叔父夫婦の部屋に急いだ。


さっさと渡して、帰ろうと思った。


流れてきそうな涙を飲み込んで、呼び鈴を押した。


出てきた彼女に、鍋を押しつけるようにして、去ろうと思ってたのに、


「妃奈ちゃん、お饅頭があるの。食べない?」


「いらない……」


これ以上喋ると我慢できないと思った。


「篤志君とケンカした?」


無言で下を向き、首を振った。


この仕草で、バレバレだったみたい。


「ま、仲が良くなった証拠よ」


「違うもん。あんな人……嫌いだもん……」

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