摩天楼Devil
クスクス、彼女は口元を押さえ、笑いだした。


「な、何よぉ」


「ううん、ごめん、ごめん。お母さんの若い頃に似てたから」


「ママと?」


叔父さんと、まだただの恋人同士だった若い頃から、彼の姉であるママとも交流があったらしい。


「お父さんと出会ったばかりの頃の彼女、やたら機嫌が悪くて……誰があんな奴と付き合うかぁ! なんて年中怒ってたわ。なのに、結局結婚しちゃうんだから」


「何それ……ママが気が強いすぎるのよ。パパは私には口うるさいくせに、ママに対してはちょっと弱くない?

私はもっと、自分をしっかり持ってて、女に対しても、しっかり意見を言う人がいいの。それでいて、大切にしてくれるのよ」


いつの間にか、涙は引っ込み、理想の男性をうっとりと語った。


叔母さんはますます笑う。


「篤志君みたいな?」


「な……っ。ち、違うもん!」


――きっと、レイさんほどは、優しくされてない……


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