摩天楼Devil
――遅かった。
「なんか、味変……なんか、クラクラするし……」
アルコールに弱い女の子はヨロける。
思わず、立ち上がり、カウンター越しに彼女を支えた。
「げっ、ヒナ!」と、おじさん。
姪を抱えようとしたが、客が増える。
おばさんも、かけっぱなしだった鍋に走る。
――仕方ない……
「おじさん、おばさん、俺運ぶよ。二階の自宅でいいんだよね」
「ああ、頼むよ。これは鍵な」
カウンターから、彼女を支えながら、店の外に出ると、そこで抱き上げた。
「うーん」と唸りながら、彼女はしがみついてきた。
チョコレートの甘い香りがした。
「たく、なんで俺が……」
自分から言ったとはいえ、ブツブツと文句を漏らした。
すると、ヒナは「ごめんらひゃい」と呟いた。
なんだか、悪戯心が働いたのもあり、冗談で、
「礼なら、キスの方がいいね」と言った。
階段の上ろうとした時だった。
「いいれすよぉ」という返答に、思わず足を止めた。
「なんか、味変……なんか、クラクラするし……」
アルコールに弱い女の子はヨロける。
思わず、立ち上がり、カウンター越しに彼女を支えた。
「げっ、ヒナ!」と、おじさん。
姪を抱えようとしたが、客が増える。
おばさんも、かけっぱなしだった鍋に走る。
――仕方ない……
「おじさん、おばさん、俺運ぶよ。二階の自宅でいいんだよね」
「ああ、頼むよ。これは鍵な」
カウンターから、彼女を支えながら、店の外に出ると、そこで抱き上げた。
「うーん」と唸りながら、彼女はしがみついてきた。
チョコレートの甘い香りがした。
「たく、なんで俺が……」
自分から言ったとはいえ、ブツブツと文句を漏らした。
すると、ヒナは「ごめんらひゃい」と呟いた。
なんだか、悪戯心が働いたのもあり、冗談で、
「礼なら、キスの方がいいね」と言った。
階段の上ろうとした時だった。
「いいれすよぉ」という返答に、思わず足を止めた。