摩天楼Devil
窓から、空を見上げた。
「いい天気だ」
雲一つない、青い空。
木島さんは、そうですね、と簡単にうなずくだけ。
俺はふと、考えてたことを尋ねてみた。
「木島さんは、兄ちゃん……神崎のおじさんの息子さんのこと知ってるの?」
「いえ、あまり……」
彼はそれだけ答える。
なんだか、口元を歪めたように見えた。
不快というより、苦痛そうに見えた。
気のせいかな? と思い、更に続けた。
「実は、会ったことあるんだ。ちょっと、変わった男だったよね……。
俺さ、禁句になってたから口にしなかったけど、本当は自殺の動機が気になってる――」
んだよね、と世間話の調子で話そうとしたが、
「おやめください」と、彼に止められた。
今まで、まるで事務的、機械的に動いてきた木島さんとは思えないくらいの、強めの口調だった。
「あ、いえ、申し訳ありません。このような祝うべき日に、話すようなことではないと思いましたので……」
「いい天気だ」
雲一つない、青い空。
木島さんは、そうですね、と簡単にうなずくだけ。
俺はふと、考えてたことを尋ねてみた。
「木島さんは、兄ちゃん……神崎のおじさんの息子さんのこと知ってるの?」
「いえ、あまり……」
彼はそれだけ答える。
なんだか、口元を歪めたように見えた。
不快というより、苦痛そうに見えた。
気のせいかな? と思い、更に続けた。
「実は、会ったことあるんだ。ちょっと、変わった男だったよね……。
俺さ、禁句になってたから口にしなかったけど、本当は自殺の動機が気になってる――」
んだよね、と世間話の調子で話そうとしたが、
「おやめください」と、彼に止められた。
今まで、まるで事務的、機械的に動いてきた木島さんとは思えないくらいの、強めの口調だった。
「あ、いえ、申し訳ありません。このような祝うべき日に、話すようなことではないと思いましたので……」