摩天楼Devil
「ええ、まったくその通りよ!パパになんて言うの?神崎社長は、私にしか話してないですって。

つまり、ここで止めておけ。これ以上、騒ぐなってことよ!」


お金はいらないと突き返したのに、玄関に置かれたという。


愕然としていたが、目から涙がこぼれた。


嘘がバレたことか、叩かれたことか、社長が来たことか、傷物と言われてしまったことか……


何が悲しいのか分からない。


へたり込んだまま、泣いていると、ママもしゃがみ、抱き寄せた。


「ごめんなさい……あなたは被害者なのに……

どうせ、嘘吐くように指示されたんでしょ?脅されたのよね?怖かったわよね……ごめんなさい……

ママ、彼の本性見抜けなくて、近づけてしまって……」


違う。

確かに指示はされたけど、最後は私の意志。


それに、彼は私を抱くのを止めた。

だけど、私がせがんだ。


「ううん。私が一緒にいたかったの……結ばれたかったの。だから、私が頼んだのっ」


再び、パチンと音が響いた。


< 315 / 316 >

この作品をシェア

pagetop