摩天楼Devil
――これは罠よ。
だって、初対面でペッタンコって言ってきたんだから。

今更、褒めるわけない。


その手に乗るもんですか!


「妃奈は少しちっちゃいけど、スレンダーだから、いやらしくならないし、むしろ格好良くなるね」


再び、天使。

《だめよ。そんな手口に乗っては!分かってるわよね?》


「ああ、もしサイズ合わなくても、特別に直しをしてくれるそうだから」


――だから、そんな誘惑には……


「そうだ。これは俺からの“特典”。そのワンピに似合う、同じブランドのストッキング。これは“無料”であげる」


可愛い、蝶の柄が入ったストッキングを見せられた。


そして、私は即答した。


「ぜひ、バイトさせてください!」
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