これが恋だとするならば・・・
「ってか・・・やっぱり変わってるわ。」


ミキちゃんがボソリと呟いた。

「だよねぇ・・・。あの人、変人だよね。」
「いや、智里がよ・・・。」

「え!?」


予想外ッッ!!


普通はコイツが一番変でしょ!!



つーか、


お前は、
いつまで居座る気だ!!

しかもそこは山田君の席よ!!

そして先生は何故こない!!



「だってこんなにカッコイイ人に
迫られてなんで平然としてるわけ?


大体、いつ、どこで、会ったのよ?」




一同は一斉に頷く。
失礼な・・・。


これで私が平然と
しているわけないじゃない。


そしてロマンチックの
欠片もない出会いや


アホなイキサツを
わざわざ思い出したくもない。



あまりの馬鹿らしさに

だんまりを決め込んだ私が


作ってしまった沈黙を
やぶるように彼はいう。




おぉ、
これはアリガタイ。





「如月 智里・・・?



ちさと。
・・・ちーちゃんだね・・・。」



さすが超天然。
マユと似た思考回路ですこと。



しかも名前ばれたし・・・。

そして人のノートを
勝手に取り出すなよ・・・。




いつの間にかこの人は、
私のノートをペラペラとめくっていた。




「でもさぁ。


やっぱり呼ぶなら

智里がいいね。」



フワリ・・・



初めてまともに微笑んだ彼に
一同が黙り込んだ。





これは気まずい沈黙や
居心地の悪い空気じゃない。





コイツの笑顔は、
希少価値あり・・・。



ずっと見ていたかったけれど
彼の穏やかな笑顔は、
すぐに無表情に戻ってしまった。







「・・・・智里はヤッパリ変よ。」





みんなが
黙り込んで
一斉に頷く。



うん。
自分も変だと思った。




たったあれだけのことに、
ドキドキが止まらない。




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