これが恋だとするならば・・・
「ねぇ知ってる?
智里ー。」


山田君の席から見えた空を指差して
俺はボンヤリといった。


空には2羽の鳥が見えた。
それで思い出したんだろうか。



「ハイー?」



智里。

イイコ。
やさしい子。
ダイスキな子。


俺は極端人間だから、
そういう子はスキなんだよ。


惚れたよ。
こうやって智里と
しゃべれるようになったこと、
ひとつも無駄じゃないって思えるんだよ。





「白鳥は悲しからずや空の青、


海の青にも染まずただよう」




「・・・えーっと・・・突然何の話でしょーか・・・??そんで自分古典は無理なんですけどね。」



「古典っていうか短歌だけどね。
それに苦手なのは古典だけじゃないでしょ??」


俺がピラピラと15点の答案用紙を
宙に踊らせると、
「やめて!!?」っと
智里が真っ青な顔でいった。



この子からかうの面白い。
あぁもうカワイイなぁ・・・。


勿論イジメなどではなく、
智里への溢れんばかりの
愛ゆえにですよ。




いつの間にか
智里のクラスメイトたちは
俺に気を使うように離れていったから、
俺達の周りはガラーンとしてる。



それは都合がいい。


これで智里としゃべれる時間が
多くなるよ。



しかも
智里がミキちゃんのところに
逃げなかったのが以外だ。
嬉しい。




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