これが恋だとするならば・・・
いつもチヤホヤされてた俺には


その冷たい答えは
あまりに新鮮で


マッスグに人を見る
一人の少女が
とても愛おしかった。




小学校、
いや幼稚園のころから、
すでに俺の周りには
自然に人が集ってきた。



気付けば、
何もしてないのに、
クラスの人気者。



誰も
本当の俺が、
どういう人間なのか
知らないくせに、
皆、寄ってたかる。



俺がかわいい子?
そうかもね。

俺がカッコイイ子?
そうかもね。

俺が優しい人?
馬鹿みたい。



本当の自分なんて
誰も見ないでいい。


むしろ、
見られないほうが
いいんだけど、


本当は、


本当の俺は
やたら冷めてるんだよ。




結構冷静なの。




いいことなのか

悪いことなのか


俺は


とても頭がいい。





無駄だ。
こういう付き合いは
何も利益がない。



俺は勉強が出来るから、
誰かに宿題なんて見せてもらわなくても良いし。


運動神経がいい俺は
勝手にチームに入れられてるから
寄ってたかった仲良しグループに
入ることもない。



一人で浮いていても、
別に寂しくない。



だからブチリと
俺は他人を切り捨てた。




高校に入って、
極端に人と関わるのをやめた俺。



俺は誰にも気を使わなくなった。



サボリ魔だとか、
カッコイだとか、


とりあえず騒がれるのも嫌だから、
いつも学校をサボってた。



勿論、


単位が取れるぐらいに
要領よくするために

テストの点だけには
人一倍気を使ったけど




学校で人と関わるより
勉強のほうがまだ楽だ。








俺は、

周りの人間に、

一切気を使わなかった。





それが無駄だと
思っていたから。



いつだって俺は
気を使われる立場にいた。








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