これが恋だとするならば・・・
泣いている
智里をみると、

柄じゃないけど


俺は、
混乱してしまった。




一人の人間を傷つけた。



それだけのことが
こんなにも
悲しいことなんだと
俺は知る。





サッキの男子達には
全く罪悪感をもてなかった冷酷な俺が、


智里には
こんなに人間らしい自分を見せれる。





「でも、


私、

血が怖いだけで・・・。





私・は・・・・・先輩が


怖いわけじゃないですから・・・。」




智里が震える声で
それだけを告げた。





あんな醜い俺を見てたら


そりゃあ

女の子なんだから

怖くないわけがないのに・・・。




智里は俺にそういう。
それを≪ヤサシサ≫というんだと思う。




「アリガト・・・・。」




些細な言葉が


ズキンズキンと
胸に染み込んで
酷く痛んだ。




人に


興味なかった俺。






そんな


智里が




ダイスキです。





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