これが恋だとするならば・・・
智里に

嫌われてようが

俺は

どうだっていいんだ。




こういう自分見せたって


それでも智里は
いつも人に優しかったから


俺はこうやって調子にのる。




このコなら
素の自分でも引かないのかもしれないと
期待する。




そんなの「そうであってほしい」と
思う俺のエゴでしかないのに。





ねぇ智里。


俺が傷ついたって

どうでもいいんだよ。




一度スキだと思った人だから。

初めて自分から愛したいと思えた人だから。









俺はそれでも愛すだけだから。








でも


どんなに俺が傷ついても

智里を傷つけたいとは思わないよ。




だから、




ねぇ智里。


泣かないで。




俺はもう君に





血を見せない。と



心に誓った。




血みどろな素の自分なんて
智里に見せたら
君はきっと泣いてしまうから。



俺は偽る。

大好きな智里だから



偽り続ける。




どんなに

血を流しても


隠してみせる。



この鼻をつく匂いも


ちゃんと隠すから。





だから泣かないでいいんだよ。



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