cocoa 上
さらに、一週間が経つとバスケの試合の日になった。
 佐志久高校との試合。私は桃と一緒に遠出して水族館へ行った。
 私と桃が楽しんでいる中
 中川先輩がバスケの試合をしている。
 怪我をして試合に出れない
 こうちゃんは大きな声での応援、指導。想像がつく。
 きっとまた、こうちゃん達は勝つんだろうな。

 と、思っていたら


「…引き分けだった!」


 と、こうちゃんからの電話。引き分けかぁ。
 でも凄いね♪って私が言うと
 こうちゃんは俺がいないからなぁ~笑って答えた。
 次は出るから来てと言われたが
 行かないと伝え電話を切った。
 自分にもけじめをつけなきゃ。
 そう思っていた。
 だけど、一番最初に
 想いを伝えたのは意外な人だった。

 その人は私にとって大切な人でした。
 そう、その人は。


「あ、桃!もぉ~捜したんだからね!」


 こうちゃん達の試合から一週間経ったある日。
 学校の昼休みで急にいなくなった桃を捜しに
 中庭へ行った時の事だった。
 遠くから桃を見かけたので急いで駆け寄った私。
 だけど、桃の前に立っていたのは。


「こ…うちゃん…?」


 桃がこうちゃんの袖を掴んで何か言っていた。
 恐る恐る木の影に隠れながら二人に近づく私。


「こうちゃんは本当に好きなんだね」


「優愛の事守れんの俺だけだから」


 え!! ガサッ
 枯れ葉を踏んでしまった私。
 あ、やば!!


「…!誰だ、そこにいるのは!」


 逃げようとした私だけど
 こうちゃんがすぐに
 私の所に駆け寄ってきた。


「…優愛!…んなとこで何してんだ?」


 ジロジロと見られる私。私は何でもなーいと言うと
 その場から去ろうとした。その時だった。
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