キミがスキだ
.


「ふーん…」


「違うってばっ!」


「そんなムキになっちゃって

紗羅はほんと可愛いよな」


「えっ!?」


「もう真っ暗だし家まで送るよ」


「そんな、悪いよ

寝ちゃった紗羅が悪いんだし」


「…じゃあ、送らせて?」


こんなふうに言われると弱い


こうちゃんはわかってて

紗羅のことをいじめてくる


まるで付き合ってた頃に戻ったみたい。


「紗羅が嫌って言うならしょうがないか」


「嫌じゃないよっ!」


「それじゃ決定な。門で待ってて。

俺、自転車とってくるから」


「わ、分かった」


こうちゃんのこと、

たくさん傷つけたのに

それなのにこんなに優しくしてくれる


なるがこうちゃんぐらい優しかったら


一瞬頭に過ぎったことが

最低すぎて頭を振った


違う。こんな比べるみたいなこと。


こんなこと考えてる自分が嫌で

走って門に向かった



.
< 10 / 46 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop