キミがスキだ
.


「…教室戻るか」


校舎に続くドアに、
手をかけようとした瞬間だった


キキー!!!


バンッ!!!


「いってー」


「あっ!なる!

ご、ごめん…どこぶった?」


思いっ切りドアでおでこぶつけた

痛みで反射的に涙が出てくる


「なる、目うるうるしてるよ?

ほんっとにごめんねっ」


「…おでこ」


「おでこぶったの!?

ちょっと見せて」


紗羅の顔が近づいて来る


「…顔近っ」


「そんなこと言ってる場合じゃないよ」


「大丈夫だし」


「全然大丈夫じゃないよ!

おでこ真っ赤になってるもんっ

手当てするから保健室行こっ?」


なんて言いながら自然に握られた手

有無を言わさず俺を引きずって行く






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