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運命
*
笑顔のキミは消えて、悲しむキミがいた。
どうしたの?
キミは何も言ってくれなかった。
・・・。
目を覚ますとキミはうつむいていた。
キミはそうすると思った。
ボクにそんな顔しないで。
つらいんだ。
それと・・・。
「ごめんね」
「なんで?」
黒い瞳は、今にも涙が零れそうなほど濡れている。
そんなキミを見てボクは何を言えばいいの?
「病気はよく分からないけど痙攣が酷いんだ。」
「そうだったんだ・・・。」
「でも大丈夫」
「なんで?」
「それだけだから」
こんなことを言える立場じゃないけど、
キミには知っておいて欲しかった。
ボクの心の内を・・・キミには・・・。
「治らないんでしょ?」
「うん・・・。」
一瞬言葉に詰まるキミ。
ボクの幸せな時間。
どんな話でもいいから。
キミと一緒にいたかった。
「死ぬかもしれないんでしょ?」
そう、人間誰でも死ぬ。
でもボクの残りの砂時計。
キミよりも、誰よりも短い。
「いいんだ。ここまで生きられて十分。」
「・・・。」
かける言葉が見つからない?
それでもいいんだ。
「夢もあるけど、叶わない。」
この言葉が、ボクの心と
キミの心にグサリと刺さる。
「何で?」
「これは運命だから。」