Purewhite Devil
暫く外を眺めていると、肩に重みを感じた。


ッッ!?


視線を向けると薫君の頭が、私の肩にしっかりと寄り掛かっていた。



「か、薫君!?」

『――――』



バスの中という事もあり、遠慮がちに声を掛けてみるが返事は返ってこなかった。


規則正しく肩が揺れている。


もしかして――。



「寝てる」



顔をそっと覗き込むと、綺麗に瞼が閉じられていた。


これって――起こすべき?


私何処で降りたらいいか分かんないんだけど――。


まぁ、いっか。


乗り過ごしてしまう事よりも、起こして体が離れてしまう事の方が嫌だった。


顔にかかった少し長めの前髪。


初めて触れた彼の髪の毛はとても柔らかくて、ずっと触れていたいと思う程触り心地が良かった。


このままずっと一緒にいられたらいいのにな。



「死んだりしないよね――」



気が付けば自分でも驚く程、弱々しくか細い声でそう呟いていた。





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