Purewhite Devil
【第一章】

無口な彼

高校に入学して二年目の春。


朝から太陽が燦々と照っている。


私は特に目立ったところもなく、特に得意な事もなく、俗にいう普通の女子高生だ。


唯一ちょっと他とは違うかなと思えるのは名前くらい。


竜ヶ崎 乃愛(リュウガサキ ノア)。


友達からは何かちょっと偉そうな名前とか言われるけど、私は気に入っている。


ふぁぁぁ――てか眠たい。


休み明けの学校って怠いんだよねぇ。



「豪快なあくび」

「あっ、優樹菜おはよぉー」

「おはよ。あくびする時は手で隠しなさいよね、みっともないから」

「はいはい、気を付けまぁす」



私の適当な返事に大袈裟な程呆れた顔をする優樹菜は、私の隣の机に鞄を置き席についた。



「最近眠そうだけどちゃんと寝てないわけ?」

「んー寝てるよ。寝てるけど眠りが浅いのかも」



眠りが浅いせいかいつも夢を見てるんだけど、起きたらすっかり忘れちゃってるんだよね。


大した内容じゃないから忘れるんだろうけど。






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