Purewhite Devil
突然手を握られ驚いている間にウリエルさんは門の中へと進んでいく。


冷たい空気が肌に触れる。



『どうした?急に静かになったじゃねぇか』

「いえ――――」



怖い――。


この感覚、何処かで感じた事があるような気がする。


だけどそれが何処だったのか思い出せない。


ウリエルさんが下降し始め、手を握られている私も自然と下に向かった。


凸凹した赤黒い地面に足をつけると、何だがさっきよりもゾクゾクッと全身に寒気が走った。



「ここが水の神殿ですか?」



私の言葉にニッと笑い、ウリエルさんは体を浮かせた。



『ここは地獄の深層部に位置するタルタロス。生前大罪を犯した魂に苦痛を与え、幽閉する場所』

「何、それ――意味分かん――」

『わりぃけど、得体の知れねぇお前を天界に置いておくわけにはいかねぇんだ』

「なッッ――私は天使ですッッ!!羽だってあるじゃないですかッッ」



ウリエルさんは目を細め私を冷たく見下ろした。



『どうやってその姿を手に入れたかは知らねぇが、下界の臭いがこびりついたままだ。他の天使は騙せても、残念ながら俺は騙されねぇよ』



ウリエルさんはクルッと体の向きを変えると、飛んで行ってしまった。



「待って下さいッッ!!お願いだからッッ待ってよッッ!!」



私も慌てて飛び立ち追いかけたが、追い付ける筈もなく先程通った道の入り口が虚しく閉じてしまった。


ウリエルさんの姿も当然ながらもう何処にもない。


私は愕然とする他なかった。





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