Purewhite Devil

風を司る者

トントントンっ――。


何の音?


この音何だか懐かしい。


それにいい匂いがする。


目を開けると見慣れない木の天井が目にはいった。


ここは――ッッ!!



「ヴォラクくッッ――!?」



いったぁー――ッッ。


体を起こそうとしたら全身激痛に襲われ、然程体を起こせないまま再び横になる羽目になった。


よく見たら私はベッドの上にいるみたいだ。


ここ何処?


ヴォラク君は無事なの?


答えてよ、ガブリエル――。


心の中でいくら問いかけてもガブリエルからの返事はなかった。


最後って言ってたけど、会話すらもうできないって事なの?


目に溢れた涙が目尻から次々と零れ落ちていく。



「あらあら、大変っ!!涙を溢される程お体が痛みますの?」



突然優しく和やかな女性の声が聞こえてきた。


気付けば目の前には床に膝をつき、眉尻を下げ心配そうな顔をしている可愛らしい女性の顔があった。


驚きのあまり涙は引っ込んでしまった。







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