Purewhite Devil
ソフィアさんが申し訳なさそうな顔を見せた。



「ノアさん、ごめんなさい。お花を届けなければならなくなってしまったので、お夕食は簡単なものでもいいかしら?」

「それは全然構わないんですけど、良かったら私がお花を届けましょうか?」



ソフィアさんは忙しいし、私はろくに仕事もしてないわけだしお手伝いしないとね。



「本当に宜しいんですの?」

「勿論ですっ!!どこに届ければいいんですか?」



嬉しいやらそうでないやら分からないが、天使の町とその近郊にはだいぶ詳しくなっていた。


余程変な場所でなければ私にも分かるはず。



「ありがとうございます。せっかくですからお願いしようかしら。この花束を水の神殿の祈りの間にお供えしてきて下さる?」

「えっ?水の、神殿……ですか?」

「毎日交代で水の神殿にお花をお供えするようにしておりますの。少しでも早くガブリエル様がお目覚めになりますように、と願いを込めて……」



私は拳をグッと握りにっこりと笑って見せた。



「責任を持ってガブリエル様の元へお花を届けてきますねっ」



やっと、先が見えた。


薫君待っててね。


もう少しだから。







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